依頼した仕事の進捗を聞かくまで何もでてこない。
聞くと社員Sさんは「どうしていいかわからず困っていました」という。
私は、一つずつ指導しやり方を教えてきました。
本人は「わかりました。やってみます」とその場をさるので、様子をみていると一向に行動はか変わらず、指示が来るまで待っていんです。
by 某IT企業 課長Mさん

受け身な行動vs自発的な行動

仕事への取り組みの姿勢は、社員によって様々で、積極的でどんどん自発的に動く社員もいれば、依頼した仕事はこなすけれど、支持をしなければ動かない受け身な社員もいます。

自発的に行動する社員は、例えば自分の担当している仕事で、問題があればそれに対して解決をするだけでなく、積極的に改善の仕組みを提案し取り組んでいき、自分から仕事の範囲を広げ行動をとっていきます。
一方、受け身の社員は、担当している仕事に対して積極的に取り組む姿勢がなく、言われた事をこなすだけで、やる気が見えない。
何度となく、その仕事の重要性や社員への期待を伝えても、本人のモチベーションにはつながらず、仕事に対して受け身である。
他にしたい仕事はあるか質問しても「特にありません」という答えが返ってくるだけで、主張もやりたい事もない。
 
なぜ、このように社員の姿勢、行動に違いあがのでしょうか?
受け身の姿勢の社員が自発的に行動するように育成するにはどのようにしたらよいのでしょうか?

姿勢の違いとして、仕事への興味、責任感、気持ち等々の要因を考えるもの大切ですが、自発的に動く社員と受け身の社員の行動の違いとしてまず見極めたい点は、本人が自分の「ビッジョン」をもちそれに向けて「ゴール設定」をしているかそうでないかというところです。

受け身社員にはまず質問でビジョンメイキングトレーニング

「ビジョン」があれば、その実現に向かって今の職場・仕事に対してゴール設定をおき、そのゴールを目指し自ら仕事に対して行動します。
つまり自分から行動できる社員は、このビジョンとゴール設定ができています。
一方、受け身な姿勢の社員は、ビジョンが描けない、あるいはビジョンがあっても具体的なゴール設定につながっていないため、ゴールがない状態で仕事をします。

例えばゴールがないマラソンでは、選手はどこをどう走ればいいのかわからないのと同様、仕事でもゴールがなければ、自分から動けないのです。
そのため支持されないと行動をとらいないという状況になりがちです。

受け身の社員を自分から動ける社員に育成するには、まず本人に「ビジョン」をもたせる事(ビジョンメイキング)が大切です。
そして本人が将来の姿を描ければ、それに向かって今何をすべきか自分で目標をたてることは、自ら考えて行動を起こす原動になるのです。
「自分で決める」から「自分で動く」というサイクルを作ることで、何事にも取り組む姿勢が変わってきます。
ただ、受身な姿勢の社員は、自分で先を考えることが苦手で指示されてから行動する傾向があります。
それを変えるのは、指示を待つ思考から自分で考える思考に変えるトレーンングです。
あなたが「答えを教える」のでなく常に「質問」して、相手の考えを引き出しビジョンを描ける支援をしてください。
質問→考える練習をすることで、仕事面でも自分で考える思考が動きだします。さらにビジョンを描ける練習をすることで自分のゴールを設定して動く社員の育成へとつながります。

3つの練習方法

3つの練習方法でビジョンメイキングを身つける練習方法を紹介します。
社員のビジョンメイキングは、本人が考え気づいて自分で決めるものです。
それを支援するには、what, when, how to の質問をしながら話し合います。
whyは使うとしても、話し合いの中で1-2回程度。それ以上使うと相手は詰問に感じてしまい、その話し合い事態が失敗してしまうこともるので気をつけてください。
質問と提案を巧みに組み合わせてコミュニケーションをとることで、相手の漠然としている将来の姿を、具体的な言葉でイメージを表現できるように引き出し、ビジョンを描けるよう練習します。
ビジョンを描くには、自分のニーズ、価値観、興味を理解し、それを基盤に組み立てる力が求めるため、受け身な姿勢な社員の場合、まず自分を知り、そこからビジョンメイキングの期間を短期に設定し、考え方に慣れるよう練習が必要です。

3つの練習方法
① ビジョンメイキングの期間を少しずつ延ばす
フルマラソンをやった事のない方に、いきなり42.195kmを完走するのは至難の技です。まず、短い距離を走り、そして徐々に距離をのばす練習をすると思います。
ビジョンメイキングをしたことがない社員も、それと同じです。
まず、一日後のビジョンをイメージできるように練習し、それから一週間後、一ヶ月後、半年と期間を延ばしていきます。
そうする事で、考え方に慣れビジョンの描きかたが身に付いてきます。

② 相手のニーズ、価値観、興味を聞き出す
ビジョンメイキングに慣れていない社員は、自分の言葉でどのように表現すればいいのか戸惑ってしまいがちです。
そのため、無理にビジョンをイメージするようにコミュニケーションを続けると拒否反応をおこしてしまいます。
相手が戸惑っているようでしたら、
「好きな事」
「憧れている事」
「気持ちいい事」
「大切にしている事」
のように相手の価値観を明確にして相手が何故それが好きなのか、気持ちいいのか聞いて、相手の内面の考えを引き出してみて下さい。

③ 「無理」「出来ない」「難しい」思考を取り除く
フルマラソンに出場したことがない人に、「フルマラソンに出場して完走してみない?」と聞いたらどう反応するでしょう?
たいていの人は、「いきなりフルマラソンは無理、出来ない」と答えるのではないでしょうか。
では、「完走しなくてもいいからフルマラソンに参加してみるのはどう?」と聞かれたらどうでしょうか。
「ハワイのフルマラソンなら、景色を楽しみながらできそうでいいかもね」
「地元のフルマラソンで皆と楽しみながらやってみたい」
このように、相手は参加することをイメージして話が進みます。
「完走しなければいけない」という現実をもとめられると、走った事がない人はフルマラソンの完走は無理、できないと考えて自分の思考にブレーキをかけてしまい、フルマラソンにでるイメージを描こうとしません。
でも「完走しなくてもいい」という現実をもとめず制限を作らない質問をすると、相手はフルマラソンにでるイメージを描き、その先の考えが広がります。
つまり、ビジョンを描く時には制限をはずした質問をすると考えが広がります。相手が「無理、出来ない」というブレーキを踏まないように聞き出して、ビジョンをイメージできるように練習することが大切です。
例えば、
「出来る出来ないは関係ないとしたら」
「現実味がない事でもいいから」
「失敗しないとしたら」
「しがらみがなかったとしたら」
というように、質問の冒頭に制限をはずして話してみて下さい。
この3つの練習で、先の事を考える思考力を育てれば、3年先、5年先のビジョンメイキングもできるようになります。

あなたのコーチングが”自分で動く”社員を育てる

社員5つのタイプを例に、コーチングをどのように使い分けて効果的に自発的人材を育成する

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集